
高速にテキストを編集するには
Macの以下の機能を使いこなすと高速にテキストを編集できます。
- キーのリピートと速度
- マウスでテキスト選択
- Emacsキーバインド
キーのリピート時間速度
テキスト編集を速くするには高速にカーソルを移動する必要があります。
カーソルキーを一定時間押し続けるとキーのリピートが始まり、キーを連打しなくてもカーソルが移動するようになります。
「設定」画面の「キーボード」を選択し「キーのリピート速度」を「速い」に、「リピート入力認識までの時間」を「短い」に設定することでカーソル移動を高速化できます。

マウスでテキスト選択
コピペや移動のためにテキストを選択する操作はよくやると思います。
そのテキスト選択はカーソルキーを何度も押すよりはマウスを使った方が速いです。
行単位で選択 | テキストをトリプル(3回)クリックしてドラッグ |
---|---|
テキスト範囲を選択 | 範囲をドラッグかShiftを押しながら範囲先頭と範囲最後をクリック |
単語単位で選択 | テキストをダブル(2回)クリックしてドラッグ |
よく、
という話を聞きますが、テキスト選択についてはあてはまらないのではないでしょうか。
行単位で選択
テキストにマウスカーソルをおいてマウスをトリプル(3回)クリックすると1行(1段落)分のテキストが選択されます。
3回目のクリックをしたまま下方向にドラッグ(クリックしたままマウスカーソルを移動)すると複数行のテキストが選択されます。
キーボードで行単位選択するためには以下の操作が必要になってしまいます。
- ↑ (Control+P)か↓ (Control+N)を何度も押してテキストカーソルを先頭行に移動。
- Control+A で行頭にテキストカーソルを移動。
- Shift + ↓を何度も押して複数行を選択
テキスト範囲を選択
テキスト範囲を選択する場合、以下のようにキーボードで何度もキーを押していないでしょうか。
- ↑ (Control+P)か↓ (Control+N)、← (Control+B)か→ (Control+F)を何度も押してテキストカーソルをテキスト範囲の先頭に移動。
- Control+A で行頭にテキストカーソルを移動。
- Shiftを押しながら→を何度も押してテキストを選択
しかし、マウスならテキスト範囲先頭をクリックし、そのまま右方向にドラッグするだけで範囲選択できます。
選択したい範囲が大きい場合は以下のようにShiftを押しながら2回クリックすれば選択できます。
- 選択するテキスト範囲の先頭でShiftを押しながらクリック。
- 選択するテキスト範囲の最後でShiftを押しながらクリック。
単語単位で選択
テキストにマウスカーソルをおいてマウスをダブル(2回)クリックすると単語が選択されます。
単語と言っても日本語の場合、以下の区切りが単語として選択されます。
- 句読点
- 記号
- スペース
全角/半角の区別はありません。
トラックパッドではダメ
前述の通り、テキスト選択はキーボードよりマウスの方が高速です。
だからといってトラックパッドにはあてはまりません。
テキスト選択にはドラッグ操作が必要ですが、トラックパッドはドラッグがやりづらく、到底マウスにはかなわないためです。
1行か1単語だけの選択ならトラックパッドでもトリプルタップかダブルタップで高速化できますが……
高速にテキスト編集するならマウスを買いましょう。
Emacsキーバインド
EmacsとはUnixやLinuxでよく使われているテキストエディタです。
Emacsはホームポジションから大きく離れることなくテキスト編集が可能なショートカット(キーバインド)を搭載しています。
Macではテキスト編集時にControlを左手小指で押しながら他のキーを押すことでEmacsキーバインド互換のショートカットを利用できます。

Emacs キーバインド (ショートカット) | テキスト編集 | 高速化効果 | 覚え方 |
---|---|---|---|
Control + K | 行末まで削除 | Kill line | |
Control + Y | ヤンク | Yank | |
Control + E | 行末へ移動 | End of line | |
Control + A | 行頭へ移動 | ||
Control + D | 後ろの文字を削除 | Delete char | |
Control + H | 前の文字を削除 | ||
Control + O | 空行を挿入 | Open line | |
Control + P | 上の行へ移動 | Previous line | |
Control + F | 次の文字へ移動 | Forword char | |
Control + B | 前の文字へ移動 | Backword char | |
Control + N | 次の行へ移動 | Next line | |
Control + V | 1画面下へ移動 | ||
Shift + Control + V | 1画面上へ移動 |
Emacsキーバインドにはテキスト編集の高速化にたいして寄与しないものもあります。
たとえばControl+BNPFでホームポジションから手を離さずにカーソル移動できますが、カーソルキーと違ってControlとの同時押しが必要になリます。
そのため、それらのEmacsキーバインドはマウス操作などホームポジションから手が離れた状態ではカーソルキーよりを使うより遅くなります。
さらにテキスト選択ではShiftも含めて3つキーの同時押しが必要なため、カーソルキーより速くはなりません。
そのため、上の表では高速化効果が高いキーバインドを「高速化効果」の
の数で示しています。行末まで削除 / ヤンク
Control+Kでカーソル位置から行末まで削除されます。
削除のために何度もキーを押す必要がなくなるため、高速化効果は大きいです。
また、これで削除したテキストはクリップボードとは異なる専用領域にコピーされます。
専用領域にコピーされたテキストはControl+Yでヤンク(貼り付け)できます。
行頭/行末へ移動
Control+Aで行頭(段落の先頭)へ移動、Control+Eで行末(段落の先頭)へ移動します。
ちなみにCommand+←で物理行の先頭、Command+→で物理行の最後に移動します。
物理行とは行が長すぎて画面右端で折り返している場合の画面上の各行です。
少なくとも日本語文章の編集で物理行の先頭や最後にカーソル移動してやることがちょっと思いつきません……
後ろの文字を削除
Macのキーボード(10キー付きのMagic Keyboard以外)にWindowsのキーボードにあるカーソルの後ろ(右側)の文字を消すDeleteキーはありませんが、EmacsキーバインドのControl + Dで後ろの文字を消すことができます。
fn + Delでも消せますが、その組み合わせは押しづらいため時間がかかります。
Command系のテキスト編集に役立つショートカット
Emacsキーバインドの他にMacで一般的なCommand系のショートカットにもテキスト編集に役立つものがあります。
ショートカット | 操作 | 備考 |
---|---|---|
Command + ↑ | ファイル先頭へ移動 | |
Command + ↓ | ファイル末尾へ移動 | |
Command + C | コピー | |
Command + X | カット | |
Command + V | ペースト | Shift + Command + V で書式なしペースト |
Command + F | 検索 | |
Command + G | 次を検索 | Shift + Command + G で前を検索 |
Command + Z | アンドゥ(Undo) | Shift + Command + Z でリドゥ(Redo) |
Command + U | 下線(アンダーライン) | |
Command + I | 斜体(イタリック) | |
Command + B | 太字 |
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