
ARM版Windowsとは
Intel MacはほとんどのWindows PCと同じIntel系のCPUを搭載しています。
そのため、Intel Macでは通常のWindowsが使えます。
しかし、現在の主流であるM2/M1 MacのCPUはARM系のApple Siliconのため、通常のWindowsは使えません。
Windows PCにも少数ですが「SQ3」などARM系のCPUを搭載したSurface Pro 9 SQ3版などが存在し、それらに使われているのがARM版Windowsです。
M2/M1 MacでそのARM版Windowsを使います。
ただ、通常のWindowsに比べて機能に制限があります。
DirectX 12とOpenGL 3.3に未対応
DirectX 11まで対応していますが、DirectX 12には未対応です。
そのため、DirectX 12を要求する新しめのゲームは遊べません。
OpenGL 3は対応していますが、OpenGL 3.3には未対応です。
仮想化は使えない
仮想化を使う以下のような機能やアプリは使えません。
- Windows Subsystem for Android
- Google Play Games on PC
- Windows Subsystem for Linux
- Windowsサンドボックス
通常Windows用のドライバは動作しない
ARM版Windowsは通常のWindowsアプリをARM CPU向けに変換して実行できます。
しかし、通常Windows用のドライバをARM CPU向けに変換することはできません。
そのため、通常Windows用のドライバを使うアプリは動作しません。
例えばゲームのアンチチートソフトウェアにはドライバを使うものがありますが、ARM版Windowsではそのようなアンチチートソフトは動作しません。
PDFソフトもPDF生成用のプリンタードライバーを使います。
いきなりPDFはインストール時にエラーとなります。
Dropbox
Dropboxのデスクトップアプリをインストールしようとしても「ご利用のデバイスはこのバージョンのDropboxアプリに対応していません。」と表示され、使えません。

上図の通り、Sモード版Dropboxなら使えるのですが、Sモード版はDropboxのビューワでしかなくローカルファイルの同期はできません。
回避策としてはParallels DesktopにはMacで使っているオンラインストレージ(iCloud、Dropbox、Google Drive)をWindowsのネットワークドライブに割り当てる機能があります。
Windows FAXとスキャンのアプリはない
通常のWindowsには「Windows FAXとスキャン」というアプリがあります。
FAXモデムを使ってFAXを送受信できるアプリです。
しかし、今どきFAXモデムを持っている人がいるのでしょうか? そもそもFAXを使う人がいるのでしょうか。
そんな状況のためかWindows 10まではプリインストールされていたのですが、Windows 11ではオプション機能(ユーザーが任意でインストールする)扱いになっています。
ARM版Windowsではそのオプション機能にも含まれていません。
なくても困る人は少なそうですが。
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